この記事の要点
- 説明を読ませる手段
- 読者の悩みから始める
- 冒頭の数コマで決まる
- 読了率と遷移率で測る
漫画LPとは、商品やサービスの説明をマンガのストーリー形式で見せるランディングページのことです。結論から言えば、漫画LPは「読まれずに離脱されている説明」を最後まで読ませるための手段であり、どんな商材でも成果が上がる万能な施策ではありません。効くのは、価値を理解してもらうまでに説明が必要な商材です。
文章中心のLPは、書き手が伝えたいことを網羅しようとするほど長くなり、読者は冒頭数スクロールで判断して離れていきます。マンガは、読者と同じ悩みを持つ登場人物の体験として説明を並べ直すことで、同じ情報量でも読む負荷を下げられます。
この記事でわかることは次のとおりです。
- 漫画LPの基本的な形と、通常のLPとの違い
- 漫画LPが向いている商材・向いていない商材
- 離脱を防ぐ構成の型と、作り方の手順
- 導入前に決めておくべき効果の見方
依頼先の選び方や費用感については漫画制作会社の選び方と漫画制作の費用で詳しく扱っているので、ここではLPという用途に絞って整理します。
漫画LPとは:通常のLPとの違い
漫画LPは、ランディングページの説明部分をマンガに置き換えたものです。形は大きく2つに分かれます。
- 全編マンガ型 — ページの大部分をマンガで構成し、最後にCTA(申し込みボタンや問い合わせ導線)を置く
- 部分マンガ型 — ファーストビューや「こんなお悩みありませんか?」の部分など、離脱が多い箇所だけをマンガにし、詳細は通常のテキストや図で説明する
通常のLPとの違いを整理すると、次のようになります。
| 項目 | 通常のLP(テキスト・図解中心) | 漫画LP |
|---|---|---|
| 情報の並べ方 | 特徴・メリットを項目ごとに並べる | 登場人物の体験の順に並べる |
| 読者の読み方 | 気になる箇所を拾い読みする | 話の流れに沿って順に読む |
| 得意なこと | 仕様・料金など正確な情報の提示 | 課題への共感と、利用後のイメージ |
| 苦手なこと | 読者に自分ごと化させること | 細かい条件や数値の網羅 |
| 修正のしやすさ | 文言の差し替えが容易 | 構成変更は作画のやり直しを伴う |
表のとおり、漫画LPは通常のLPの上位互換ではありません。共感と理解はマンガ、正確な条件はテキストという役割分担を前提にすると、設計を誤りにくくなります。
漫画LPが向いている商材・向いていない商材
漫画LPの効果が出やすいかどうかは、商材の性質でおおむね判断できます。
向いている商材
- 仕組みが複雑で、説明を読まないと価値がわからないサービス(BtoBのSaaS、金融・保険、士業サービスなど)
- 利用シーンを想像しにくい商品(新しいカテゴリの製品、使ったことのない人が多いサービス)
- 悩みを自覚していない層に気づきを与えたい商材
- 比較検討期間が長く、読者が「自分に合うか」を迷いやすい無形商材
- 求人・採用など、条件の文字情報だけでは差がつきにくいもの
向いていない、または工夫が要る商材
- 価格や見た目で即決される商品
- すでに商品名で検索して来る、購入意欲の高い読者が中心のページ
- 仕様や価格が頻繁に変わり、そのたびにLPを更新する必要がある商材
後者の場合でも、全編マンガではなく部分マンガ型にすることで、更新のしやすさと読みやすさを両立できることがあります。
離脱を防ぐ漫画LPの構成
漫画LPで最も多い失敗は、「マンガにしたのに読まれない」ことです。原因の多くは、絵のクオリティではなく構成にあります。離脱を防ぐ基本の流れは次のとおりです。
- 冒頭:読者と同じ悩みの場面から始める — 会社紹介や商品名から入らず、ターゲットが日常で感じている不満や困りごとを描く。最初の数コマで「自分の話だ」と思わせられるかが最大の分かれ目になる
- 課題の深掘り:放置した場合の困りごとを示す — 悩みを具体的な場面で見せ、今のままでは何が起きるのかを読者に想像してもらう
- 出会い:解決策としての商品・サービスを登場させる — ここで初めて商品を出す。機能の羅列ではなく、登場人物の課題にどう効くかを1つか2つに絞って描く
- 疑問への回答:読者が抱きそうな不安に答える — 「本当に使いこなせるのか」「費用に見合うのか」など、申し込み前に止まりやすい疑問を登場人物の会話で解消する
- 結末:利用後の変化と次の行動を示す — 課題が解決した様子を見せ、そのままCTAにつなげる
構成を作るときは、次の点も押さえておくと離脱をさらに減らせます。
- 登場人物はターゲットに寄せる — 年齢、職種、立場を読者に近づける。BtoBなら決裁者か現場担当者かで描く悩みが変わる
- 1ページに詰め込まない — セリフが長いコマが続くと、マンガでも文章と同じように読み飛ばされる
- スマートフォンで読む前提で作る — 縦スクロールで読みやすいコマ割りと文字サイズにする
- マンガの途中にもCTAを置く — 最後まで読まずに納得した読者が行動できるようにする
漫画LPの作り方:制作の手順
漫画LPの制作は、一般的に次の手順で進みます。全体の流れは漫画制作の流れでも解説しています。
- 目的とKPIを決める — 問い合わせ、資料請求、購入、応募など、LPのゴールと測る指標を先に決める
- ターゲットと悩みを1つに絞る — 既存顧客へのヒアリング、営業現場でよく聞かれる質問、既存LPの離脱箇所などから、描くべき悩みを選ぶ
- シナリオ・構成案(ネーム)を作る — 前述の構成の型に沿って、コマ割りとセリフの流れを決める
- 社内確認はネーム段階で行う — 表現の正確さや法務チェックはこの段階に集める。作画後の構成変更は大きな手戻りになる
- 作画・仕上げ — キャラクターデザイン、作画、セリフの写植を行う
- LPに実装する — マンガとCTA、補足のテキスト情報を組み合わせてページにする
- 公開後に計測し、改善する — 離脱箇所を見て、冒頭やCTA周りを調整する
特に1と2を曖昧にしたまま作画に進むと、「きれいなマンガはできたが、何を測って評価すればよいかわからない」という状態になります。
導入前に押さえる、漫画LPの効果の見方
漫画LPの効果は、コンバージョン率だけで判断すると原因がわかりません。読者の行動を段階に分けて見ることで、どこを直せばよいかが明確になります。
| 段階 | 見る指標 | 数字が悪いときに疑う箇所 |
|---|---|---|
| 読み始めたか | 直帰率、最初のスクロール率 | 冒頭のつかみ、広告とLPの内容のずれ |
| 読み進めたか | 読了率(スクロール到達率)、滞在時間 | 中盤の説明の長さ、セリフの量 |
| 行動したか | CTAのクリック率、コンバージョン率 | 結末の行動喚起、CTAの位置と文言 |
| 質は変わったか | 商談化率、問い合わせ内容の具体性 | ターゲット設定、商品説明の正確さ |
既存のLPを漫画LPに置き換える場合は、流入元や期間をそろえたABテストで比較するのが確実です。広告経由と自然検索経由では読者の温度感が違うため、混ぜて比べると判断を誤ります。
実際の成果の一例として、株式会社タイミーの「タイミーキャリアプラス」では、LPマンガの読了率55%、求人マンガのコンバージョン率 約2倍という結果が出ています。制作の過程はタイミー社の求人マンガ制作の事例で、初期ラフから完成まで紹介しています。採用用途での構成の考え方は採用マンガとはも参考にしてください。
漫画LPの費用を考えるときの注意点
漫画LPの費用は、マンガのページ数だけでなく、カラーかモノクロか、キャラクターを新規に作るか、シナリオから任せるか、LPのデザイン・実装まで含むかによって大きく変わります。見積もりを比較するときは、金額にどの工程が含まれているかを必ずそろえて確認してください。
つたわるマンガの場合、基本料金は1ページ3〜5万円(税込33,000〜55,000円)で、用途・ページ数・仕様に応じて個別に見積もっています。生成AIとプロのデザイナーを組み合わせることで、従来比コスト1/2以下、納期スピード5倍を実現しています。オプションでLP・広告デザインの作成にも対応しているため、マンガとページ制作をまとめて依頼することも可能です。
まとめ
漫画LPを成果につなげるための要点は次の3つです。
- 漫画LPは説明を読ませる手段。説明が必要な商材ほど効果が出やすい
- 冒頭は読者の悩みから始め、商品は後から出す。最初の数コマで離脱が決まる
- 公開前にKPIと計測方法を決める。読了率と遷移率を段階ごとに見て改善する
つたわるマンガでは、ターゲットと悩みの整理から構成、作画、LPへの組み込みまでご相談いただけます。「自社の商材は漫画LPに向いているか」という段階のご相談でも構いません。サンプルマンガの制作も無料で承っていますので、お問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。1営業日以内にご返信いたします。
よくある質問
漫画LPとは何ですか?
商品やサービスの説明を、マンガのストーリー形式で見せるランディングページです。読者と同じ悩みを持つ登場人物が、課題に気づき、解決策に出会い、行動するまでを描くことで、文章だけのLPでは読み飛ばされやすい説明を最後まで読んでもらうことを狙います。ページ全体をマンガにする形と、ファーストビューや途中の一部だけにマンガを入れる形があります。
漫画LPはどんな商材に向いていますか?
説明しないと価値が伝わらない商材に向いています。たとえば仕組みが複雑なサービス、利用シーンを想像しにくい商品、比較検討に時間がかかる無形商材などです。反対に、価格や見た目だけで選ばれる商材や、すでに指名で探されている商品では、マンガで説明を挟むことがかえって購入までの距離を長くする場合があります。
漫画LPの効果はどう測ればよいですか?
コンバージョン率だけでなく、ページの読了率(スクロール到達率)、滞在時間、マンガ部分からCTAへの遷移率を段階ごとに見ます。どこで読者が離脱しているかがわかれば、冒頭のつかみ、中盤の説明、結末の行動喚起のどこを直すべきかを特定できます。既存LPと比較する場合は、流入元をそろえたABテストで判断するのが確実です。